蜷川幸雄の「オレステス」を観る。藤原竜也が中嶋朋子と抱き合うと、(藤原竜也、顔デカっつ!)と思ったのと、藤原竜也に真横。(席はC列通路側)で熱演されたので、汗か、水しぶきかわからないけど、かかりそうでちょっとイヤでした私は特別に彼のファンというわけではないのですよ。やたら、雨を降らせる舞台でしたね。最前列は膝にレインコートかけてました。
ギリシャ悲劇には余り詳しくないので、どこが蜷川の解釈かは、ちょっとわからないです。どうもオレステス=テリスト、みたいな解釈か。これって一般的なんでしょうか?
- アガメムノンがトロイア遠征のために娘のイビケネイアを生け贄にする。
- アガメムノンの妻がそのことを恨んで、夫アガメムノンを娘の復讐のために殺害する。
- 父親の復讐のためにオレステスが母親を殺害する。
- オレステスは母親殺しの罪で有罪(市民による裁判)となるが、戦争の原因となった母親の姉であるヘレネを殺すことで、失地回復をしようとする。
どの殺人も、その時々の正義に基づいて正統化される。そして復讐が連鎖していく。
4.の部分がオレステスのストーリーなのですが。
ラストにアポロン神が降臨しての大岡裁き(ギリシアの神だからちょっと違うか?)で一件落着ってどうなのよ?????と思うのが普通でしょ。そこを、どう納得させるか?
戦争続きだった当時のギリシャ人の感覚では、そういう解決にしなければ、やってられない気分だったのだろうという解釈はあるのだろうけど。(パンフによる)
やはり現代人としては受け入れにくい。
最後に、天井から客席に大量のチラシが降ってくる。アメリカとイスラエルとパレスチナとレバノン、それぞれの国歌と国旗が書かれている。というのは、あからさますぎ。こんな演出いらないんじゃないのか?
現実の紛争は、神が登場して、解決してくれるわけでもなく・・・・・。
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